この記事では、任意整理をしても意味のないケースについて解説します。
任意整理は自力での返済が困難な人向けの救済措置ですが、場合によっては意味がない手続きで終わってしまうケースもあります。
任意整理は裁判所を通さない比較的“手軽な”手続きではありますが“簡単”な手続きではありありません。そこをしっかり理解しないと意味のない任意整理で終わってしまいます。
この記事を読んでいただければ、
- 任意整理をしても意味のないケース
- 意味のある任意整理にする秘訣
といったことが学べます。
それではどうぞ!
意味のある任意整理には基礎の理解が不可欠
意味のある任意整理にするためには、まず任意整理がどういった手続きなのかを知る必要があります。
任意整理は自己破産・個人再生にならぶ債務整理の1つで、自力での返済が困難になった場合の救済措置になります。
それぞれの減額率を比較してみると、
債務整理の種類 | 減額率 |
---|---|
自己破産 | 原則100% |
個人再生 | 債務総額の70~80%程度 |
任意整理 | 利息のカット |
単純な減額率だけでみれば自己破産ですが、デメリットと言う観点で比較した時、
デメリット(リスク) | |
自己破産 | 財産の没収、会社・家族バレ、事故情報、裁判手続きなので手間・複雑 |
個人再生 | 財産の没収、家族バレ、事故情報、裁判手続きなので手間・複雑 |
任意整理 | 大きな減額はない、事故情報 |
減額率の高い自己破産・個人再生はその分リスクも大きいわけですが、任意整理は大きな減額こそないもののリスクも比較的小さいので比較的手軽に手続きできるという特徴があります。
任意整理は将来利息がカットされる手続き
任意整理と他の債務整理(自己破産・個人再生)との大きな違いは元金(実際に借りたお金)が減額されるのか否かという部分で、任意整理は元金は変わることなく将来利息のカットを目的とした手続きになります。
例えば、
例)元金100万円、金利15%、5年後に完済を目指した場合の(将来)利息は?
利息=元金×金利×返済日数÷365なので、
100(万円)×0.15×1,825(日)÷365=75(万円)
→5年後には利息75万円になるので、完済までに合計175万円支払う必要がある。
※簡略化のためうるう年は考慮しないものとする
※同様に滞納した場合の遅延損害金も考慮しないものとする
※利息については別記事(↓)で詳しく解説しております。
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任意整理は金利が高いほど効果を発揮する
上記の例だと金利が15%と高金利であったため利息の増え幅が実感できましたが、逆に“低金利”だった場合はなるでしょう。
例)元金100万円、金利3%、5年後完済を目指す場合の(将来)利息は?
100(万円)×0.03×1825(日)÷365=15(万円)
→5年後の利息は15万円なので、完済までには合計115万円支払う必要がある。
ということで、結論としては意味のある任意整理とは『借り入れした際の金利が高金利であること』が条件となるわけです。
任意整理をしても意味のないケースとは?
任意整理は将来利息のカットがメインで元金(実際に借りたお金)の返済を続けていく手続きだと解説しました。
それを踏まえて、意味のない任意整理は下記の通りになります。
- 低金利業者からの借り入れ
- 支払い能力がない
- 既に債務執行の判決が出ている
低金利の金融業者から借りてる
先にも解説した通り、任意整理は高金利であるほど効果を発揮します。
逆に低金利で借り入れをしていた場合、任意整理をしてもあまり減額の実感が湧かないというだけでなく「逆に出費がかかってしまう」ということにもなりかねません。
先ほどの例で考えると、
例)元金100万円、金利3%の5年後の将来利息が15万円、
法律事務所に依頼した場合の依頼料&成功報酬が8万円だった場合、、
15(万円・利息)-8(万円・依頼料&成功報酬)=7(万円)
→任意整理したとしても実際は7万円程度の減額幅しかない
※法律事務所によって依頼料(報酬)の仕組みが違うので、同じ借り入れ条件でも同様の結果になるとは限りません。
とはいえ、現在滞納が続いているということであれば遅延損害金(=延滞利息)が発生してる可能性もあるので、“将来利息と遅延損害金のカット”という側面で考えれば意味のある手続きとも言えます。
「今自分の利息(延滞利息)はどうなってるんだろう?」と気になる方は、まずは法律事務所に相談することをオススメします。
支払い能力がない
任意整理を行う最低条件として、3~5年間で完済できるだけの収入(=支払い能力)が必要になります。
例えば、
例)減額後の元金が100万円、3年で返済計画が成立した場合、
100(万円)÷36(ヶ月)=約2.8(万円/月)
→任意整理後は3年の返済計画で毎月2.8万円で返済していくことになる
既に債務執行の判決が出ている
借り入れの返済が滞り督促状や取り立ても無視し続けると、最終的には裁判に発展します。
多くの場合は債権者側の勝訴に終わるので債務執行(=給与・財産の差し押さえ執行)となり、会社や自宅への強制的な取り立てが開始されます。
債務執行は裁判所の判決なので誰にも止めることはできず、その後に任意整理しても意味がありません。
債務執行後の任意整理は意味がありませんが、その前段階なら任意整理で和解交渉に持ち込むことが可能なので早めの相談が肝となることを覚えておきましょう。
※訴訟については別記事(↓)で詳しく解説しております。
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まとめ|早めの相談が意味のある任意整理に繋がる
任意整理が意味のないケースについて解説しました。
まとめますと、
- 任意整理は高金利ほど効果を発揮する
- 任意整理には支払い能力が必要不可欠
- 滞納が続き債務執行となると任意整理の意味がなくなる
意味のある任意整理を目指すにあたって、一人で悩まず早めに法律事務所に相談することが大切です。
相談が遅れてそのまま債務執行となれば目も当てられませんので、手遅れになる前に任意整理を検討しましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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