この記事では、アイフルは任意整理に応じるのかについて解説します。
「アイフルは任意整理に応じない」という噂が飛び交っているようですが、結論としてアイフルは任意整理に応じてくれます。
ではなぜそのような噂が飛び交ってるのかというと、その要因の一つに和解条件が厳しいというのが挙げられます。
この記事を読んでいただければ、
- アイフルの任意整理に対する理解度
- アイフルを任意整理するメリット・デメリット
- なぜ和解条件に厳しい姿勢を見せるのか
といったことが学べます。
それではどうぞ!
アイフルはどんな会社?
アイフル株式会社(通称アイフル)は1967年に国内で創設されたカードローン・キャッシングを生業としている会社です。
アイフルの特徴
アイフルは他の消費者金融にはない“独立系”消費者金融としても有名です。
独立系消費者金融の一番のメリットは銀行の経営方針に左右されることがなく独自の判断で舵取りできることで、会社独自の審査基準を設け、幅広い顧客の囲い込みを可能としています。
ただ逆を言えば銀行の助けを受けることができないので、業績が悪化すれば自分たちで何とかするしかないということです。
現にアイフルは一度経営破綻寸前まで追い込まれたことがありました。
その時は企業版の債務整理とも言われる「事業再生ADR」で持ち直したのですが、当時別の独立系消費者金融が業績悪化で倒産しているのもまた事実です。
≪業績悪化の背景≫
業績悪化には「グレーゾーン金利問題」が大きく関係しており、2010年6月の法改正があるまでは約30%もの高金利での貸し付けが当たり前でした。法改正後、上限金利が大幅に引き下げられたことで生じた金利差、、いわゆる過払い金の返還請求に追われ、当時高金利で貸し付けを行っていた消費者金融の業績が軒並み悪化した、という背景があります。
そういった背景もあり、アイフルは任意整理に厳しい姿勢を見せることでも有名です。
アイフルは業績悪化の影響を受けて、
- 和解交渉には応じてくれるが条件付きになることが多い
- 利息カットではなく数%の金利は支払うことが条件になりやすい
- 過払い金請求をしても返還されるのは4割程度
- 返済期間が短い(1年未満)と交渉に応じてくれない可能性がある
- 逆に返済が長い(5~10年以上)と利息カットしてくれる可能性がある
任意整理には応じてくれるものの、返済期間が短いと厳しい条件になりやすいことは覚えておきましょう。
アイフルで滞納が続いた場合のリスク
アイフルからの借り入れを滞納すると、最悪の場合給与(口座)・財産の差し押さえとなります。
財産・給与差し押さえはある日突然執行されるものではなく、下記のような段階を踏むことになります。
- 督促状・取り立ての連絡がくる
- 差押予告通知書が届く
- 支払督促が届く(予告通知から約1ヶ月後)
- 裁判(支払督促から約2週間後)
- 給与・財産の差し押さえ
一番やってはいけないのは現実逃避をすることです。
督促状や取り立ても無視、差押予告通知も見てみぬふり、、これでは「返済の意思なし」と見なされ裁判(差し押さえ執行)が早まってしまいます。
給与・財産の差し押さえで失うのは金銭面だけでなく、会社や家族からの信用も失います。
何かあってからでは遅いので、自分1人ではどうしようもないと思ったら早めに法律事務所に相談しましょう。
アイフルを任意整理するメリット
アイフルを任意整理するメリットは下記の通りです。
- 取り立てが停止
- 将来利息がカットまたは減額
- 財産没収を回避
取り立てが停止
任意整理を法律(弁護士・司法書士)事務所に依頼すると、各債権者に受任通知(じゅにんつうち)が送付されます。
受任通知の効力は任意整理の完済まで発揮するので、計画的な返済を続けている限り取り立てに悩むことはなくなります。
滞納が続けば、、、
ただ逆を言えば、滞納が続くと受任通知の効力がなくなり取り立てが再開することになります。
滞納が続けば取り立てが再開するだけでなく、一括請求や代理人の辞任(=任意整理の契約解除)などのリスクもあるので、もし何らかの理由で返済額が用意できない場合は事前に代理人に相談しましょう。
将来利息がカットまたは減額
任意整理は和解日以降の将来利息をカットまたは減額できる手続きです。
例)元金150万円、年利15%、3年後完済を目指す場合の将来利息は?
利息=元金×年利×返済日数÷365なので、
150(万円)×0.15×1095(日)÷365=675,000(円)
3年後返済するまでに合計675,000円の利息が発生するので、
1,500,000+675,000=2,175,000(円)
完済までに利息込みで2,175,000円支払いが必要になる
もしこの例の人が利息カットに成功したならば、675,000円分減額できる上完済まで利息が発生しなくなるので、支払いが楽になるのは言うまでもないでしょう。
アイフルは利息カットが厳しい
利息カットできれば大きい減額を見込めますが、アイフルは返済期間が短いと利息カットにならず数%の金利は据え置きとなる可能性が高いです。
ただ返済期間が長い方だと利息カットに応じてくれるケースもありますので、まずは債務整理の実績豊富な法律事務所に任せてみることが利息カットにも繋がります。
財産没収を回避
任意整理は裁判所を通さない手続きのため財産の没収がありません。
各債務整理を比較してみると、
減額率 | 裁判所 | 財産没収の有無 | |
自己破産 | 100% | 有り | 有り |
個人再生 | 70~80% | 有り | 有り(一部除外できる) |
任意整理 | 将来利息カット | 無し | 無し |
上記を見ても分かるように、裁判所を通る=財産の没収が発生することになります。
その点任意整理は裁判所を通さず債権者との和解交渉がメインなので、財産没収されない比較的手軽な債務整理とも言えます。
アイフルを任意整理する際の注意点
アイフルを任意整理する際の注意点は下記の通りです。
- ブラックリストに載る
- アイフルのサービスが全て凍結(=強制解約)
- 条件付きの和解交渉になりやすい
ブラックリストに載る
任意整理をすると信用情報機関に「債務(任意)整理中」という情報が記録され、その間新たな借り入れやローンを組むことができなくなります。
※信用情報に関わる商品・サービスは下記の通りです。
- カード・キャッシングローン
- クレジットカードの契約・更新
- スマートフォンの機種代金や高額商品などの分割決済
- その他ローン商品(住宅ローンやカーローンなど)
完済後5~10年間はブラック情報として残りますが、その期間が明ければ新たな借り入れやローンを組むことが可能となります。
スーパーホワイトに要注意
ブラック期間が明けてすぐは信用情報が白紙の状態、、金融業界ではスーパーホワイトと言います。
信用情報は延滞や滞納、債務整理といった事故情報だけでなくクレジットカードや分割決済、その他ローン商品の利用実績なども記録されています。
このご時世、分割決済やクレカ・ローン商品を一度も利用したことがない人は少なく、それらの利用実績がないということは「この人は過去何らかの事故情報があったんじゃないか」と怪しまれる原因にもなります。
そのためブラック情報明けてすぐは高額ローンやクレジットカードの契約を避け、少額のショッピングローンなどで利用実績を積むことが重要になりますので覚えておきましょう。
※信用情報について別記事(↓)にて詳しく解説しております。
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アイフルのサービスが全て凍結
アイフルに限らずですが、任意整理対象に選択した借り入れやローン、クレカ全てが凍結(=強制解約)となります。
アイフルはカードローンだけを生業としているわけでなく、
≪カードローン以外のサービス≫
- ファーストプレミアム/SuLaLi
- おまとめMAX/かりかえMAX
- 無担保ローン/不動産担保ローン
- ライフカード
- AGミライバライ(後払い決済)
- AGギャランティー(ショッピングクレジット)
- その他AGサービス
上記の関連サービスを利用していた場合それらも全て凍結となりますので注意しましょう。
ブラック期間が明けてもアイフル関連サービスは再契約不可
一般的にはブラックリスト期間が解除されれば新たな借り入れ・ローンなどの契約が可能です。
ですが、任意整理したサービスはホワイト(=事故情報が白紙の状態)でも契約ができないとされています。
条件付きの和解交渉になりやすい
アイフルは任意整理自体には協力的ですが交渉条件が厳しいことでも有名です。
例えば、
≪アイフルの和解条件の例≫
- 利息カットではなく金利の引き下げになる(15%→5%など)
- 返済期間が短縮(A社は60回まで可能だがアイフルは48回が上限など)
- 和解日以前の経過利息・延滞利息はカットされない
- 過払い金の返還率が半分以下
特に返済回数が極端に少ない、支払期間が短い(0~2年)場合だと和解条件が厳しくなる傾向にあります。
経過・延滞利息も原則カットされない
同様の理由で、和解日以前に発生した経過利息や延滞利息(遅延損害金)もカットされないと言われています。
他にも法律事務所の選定も和解条件に大きく影響してきますので、任意整理を検討する場合は債務整理の実績豊富な法律事務所に相談するようにしましょう。
※債務整理の実績豊富な法律事務所について知りたい方はこちら(↓)

まとめ|アイフルは任意整理可能だが条件が厳しい
アイフルは任意整理に応じてくれるのかについて解説しました。
まとめますと、
- アイフルは任意整理に応じるが和解条件が厳しい
- 借り入れ期間が1年未満だと和解に応じない場合もある
- 任意整理した場合アイフル関連のサービスが永久的に利用できなくなる
アイフルは任意整理に応じてくれますが、業績悪化の影響で和解条件が年々厳しくなっております。
借金を放置すればそれだけ自分の首を絞めることになりますので、自力での返済が困難な場合は早めに法律事務所に相談してみましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。