この記事では、任意整理でクレジットカードが解約になるのか、という疑問について解説します。
クレジットカードは、今や成人であればほぼ10割に近い国民が取得している決済サービスであり、持っていないことがデメリットになるケースが増えてきています。
その反面、利用の手軽さから収入を超える利用、リボ払い、キャッシングなども増えており、クレジットカードが原因による多重債務(借金の返済のために借金を繰り返してしまうこと)も年々増加傾向にあります。
その多重債務による返済難から解放されるべく、救済措置として債務整理(自己破産・個人再生・任意整理)が挙げられますが、結論として債務整理をするとクレジットカードは凍結(=強制解約)になることは避けて通れません。
この記事を読んでいただければ、
- 債務整理でクレジットカードが凍結になる理由について
- 債務整理後の新規取得について
- 任意整理を利用したクレジットカード凍結を回避する方法
- クレジットカード凍結後にどうしても必要な場合の打開策
上記について学ぶことができます。
それではどうぞ!
任意整理をすると何故クレジットカードが解約になるのか
任意整理に限らずですが、債務整理を行うと、整理対象“全て”利用できなくなります。
債務整理の対象となるものについては下記に記載します。
債務整理(任意整理)の対象となるもの
- 住宅や車などの“財産”に該当するもの
- クレジットカードの利用(リボ払い含む)、キャッシング
- 銀行ローン(借り入れ含む)
- その他ローン商品(分割払い)
特に債務整理の一つである自己破産は、上記全てが強制的に没収(解約)の対象となります。
当然ながら、任意整理においてもクレジットカードを整理対象にした時点で、そのカードは凍結(強制解約)となり“一生”使うことができなくなるので覚えておきましょう。
受任通知について
受任通知は、代理人となる法律事務所が「各債権者に代理人となることを通知・送付する手続き」のことで、この通知を受け取った時点で、債権者は各種サービス(クレジットカードや通帳など)の凍結する手続きを行います。
一見、債務者(お金を借りた人)にはデメリットしかないようですが、代わりに債権者側は債務者に対し督促状や取り立ての一切ができなくなるので、精神的に楽になるというメリットもあります。
債務整理後クレジットカードの新規取得は可能?
債務整理に共通することとして、利用した時点で事故情報、いわゆるブラックリストに登録されることになります。ブラックリストに登録されると、簡単な話し「その期間はローン審査が通らなくなる」と思ってください。
また、ブラックリストの期間は原則“完済後5~10年間”になりますので、
『債務整理後5~10年間はクレジットカードの新規取得はできない』
ということになります。
任意整理でクレジットカード凍結(解約)を避ける方法
債務整理を利用すると、整理対象のクレジットカードは利用できなくなると解説しましたが、任意整理に関しては“避けられる方法”があります。
それは他の債務整理と違い「整理対象を任意で選択できる」こと。
例えば、家庭を持ってるサラリーマンですと、妻や子供に家族カードを作成しているケースもあるでしょう。そういったカードまで整理対象にすると、家族カードが使えないことで(任意整理していること)妻や子供にバレてしまう、ということにもなりかねません。
こういったリスク回避のためにも、任意整理で整理対象を選択できるというメリットが重要になってくるわけです。
任意整理から除外してもクレジットカードが凍結する可能性もある
クレジットカードを任意整理から除外して万事解決、とはいかず、任意整理しなくてもクレジットカードが解約になるケースもあります。
- カード支払いを2ヶ月連続で滞納している
- キャッシング利用申し込み時や契約更新時、カード会社の信用情報調査で「他社で債務整理中」であることが判明した
- カードの返済が過去の返済と比べ明らかに増えている
- リボ払い(分割払い)が目立つ
- カード会社が独自の判断で信用情報の調査した場合
上記の場合、クレジットカード会社の規約において「信用に問題が生じた場合、カード会社都合で解約できる」と明記されていることが多いため、任意整理後も普通に利用できていたのに突然使えなくなった、というパターンも少なくありません。
こうなってしまっては、いかに任意整理といえどどうしようもありませんので、クレジットカードが使えない(新規取得できない)前提で打開策を見出す必要があります。
任意整理で解約後どうしてもクレジットカードが必要な場合の打開策
任意整理を利用したら当然ですが、そうでなくても凍結(強制解約)する可能性がある以上、クレジットカードに代わる決済サービスを検討する必要があります。
デビットカード
デビットカードは、利用時に即座に登録口座から引き落とされる“即払い方式”のカードで、
- 審査が必要ないので任意整理中(ブラックリストに登録中)でも作成できる
- クレジットカード同等の使い方ができるのでクレカ専用決済にも対応できる
- 引落し口座に入金されてる分しか利用できないので使い過ぎず安心
- カード利用時のポイント還元あり
正直、これ一枚持っていればクレカ払いの悩みについてはほぼ解決します。
ただクレジットカードと全く同じとはいかず、
デビットカードでできないこと
- 分割(リボ)払いができない
- キャッシング機能が付いていない
- ETCカードが発行できない
- 口座から即時引落しのみで後払いはできない
上記機能が利用できないので注意が必要です。
とはいえ、インターネットショッピングやお店などでの日常的な利用には全く遜色ないカードになっておりますので、クレジットカードの代替案として最適解といえるでしょう。
ETCパーソナルカード
県によっては普及率9割を超えるETCカード。こちらも車を運転される方、特に有料道路を頻繁に利用される方にとっては無くては困るカードの一つです。
ETCパーソナルカードは、審査を必要としないデポジット型(保証金)のカードで、保証金(有料道路の月平均利用額×4)さえ用意できれば16歳以上なら誰でも作成できます。
※詳しくはNEXCO西日本公式HPをご覧ください。
まとめ|クレジットカード凍結する前提で行動する
任意整理をするとクレジットカードは解約になるのか、について解説しました。
まとめますと、
- 任意整理に限らず債務整理全般を利用するとクレジットカードは凍結(強制解約)する
- 任意整理後、最長10年間はクレジットカードの新規取得ができなくなる
- 任意整理でクレジットカードを整理対象から外せば凍結を回避できる場合もある
- 凍結を回避できても、その後突然凍結(強制解約)する可能性も十分あるので、クレジットカード凍結前提で打開策を用意する必要がある
特に家庭を持ってるサラリーマンの皆さん、家族に内緒で任意整理をする場合は“クレジットカードが凍結する前提”で行動することが不可欠です。
「クレジットカードを整理から除外すれば大丈夫だろう」と安易な気持ちで臨み、結果家族にバレてしまった、というケースを多々目撃してきたからこそ、これを読んで任意整理を検討している方には同じ末路を辿ってほしくないと切に願います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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