この記事では、任意整理費用を繰り上げ返済できるのかどうかについて解説します。
任意整理は将来利息(延滞利息)のカットを目的とした手続きで、減額後も毎月決まった返済額の支払いを続けていくことになります。
3~5年で無理なく返済できる反面、返済が長引けば長引くほどブラックリスト期間も延びてしまうため“いかに早く”完済できるのかが重要になります。
そこでまとまった金額が確保できた場合「繰り上げ返済できるのか?」という疑問に行き着くわけですが、、
繰り上げ返済はできます。
ですが、繰り上げ返済するにあたって“注意点”があります。
この記事を読んでいただければ、
- 任意整理を繰り上げ返済するメリット
- 繰り上げ返済の注意点
といったことが学べます。
それではどうぞ!
任意整理は繰り上げ返済できる?
結論から言うと、任意整理は繰り上げ返済ができます。
繰り上げ返済は主に2つの方法があり、
- 一括返済・・・残債を一括で支払う手続き
- 一部繰り上げ返済・・・毎月の返済に上乗せして返済する手続き
残債をまとめて一括で支払うか毎月の返済額に上乗せするかの違いで、基本的には支払う金額に差はありません。
繰り上げ返済のメリット
支払い回数が減ることによって得られるメリットは下記の通りです。
- ブラックリスト期間が短縮される
- 振込手数料や弁済代行費用を軽減できる
- (金利が発生してた場合)利息の軽減
ブラックリスト期間が短縮
任意整理は完済後5~10年間ブラックリスト(=事故情報)に登録されます。
例)任意整理で完済までに3年かかった場合、
3年(完済までに期間)+5~10年=8~13年
→任意整理開始日から数えると8~13年はブラックリスト期間に登録される
いかに任意整理の期間(=完済まで)を短縮できるか、、これがブラックリストを少しでも早く解除するために秘訣です。
振込手数料の軽減
繰り返しにはなりますが、任意整理後も毎月決まったお金を返済していくことには変わらないので、当然ながら振込手数料が発生します。
例)毎月の返済額が3万円、振込手数料が550円、返済計画が5年の場合、
550(円)×60(ヶ月)=33,000(円)
→完済までに33,000円の振込手数料が発生する
任意整理後は基本的に債権者が指定する口座への振り込みとなりますので、少しでも早く完済することが無駄な出費を防ぐことにも繋がります。
(利息有りの任意整理だった場合)利息の軽減
任意整理は将来利息カット(=利息がゼロになる)がメインとなりますが、債権者の和解条件次第では利息カットにならず“多少の金利を支払うことが条件”となる場合もあります。
例えば、
例)任意整理後の元金70万円、返済期間3年、和解条件として金利3%が確定した場合、
利息=元金×金利×返済期間(日)÷365なので、
70(万円)×0.03×1095(日)÷365=63,000(円)
→完済(3年後)までに利息分63,000円多めに払うことになる。
他にも「○社は任意整理に厳しい姿勢を見せる傾向にある」「任意整理は○%の金利条件した受け付けない」という独自のルールを定めているところもあるので、債務者視点で見ればどうしようもない部分ですが、返済の意思があるし姿勢を見せることも利息カットに繋がります。
少し話が脱線しましたが、繰り上げ返済で早期完済できれば利息を抑えることができるということも覚えておきましょう。
繰り上げ返済のやり方
繰り上げ返済のやり方は返済先によっても違いがあり、
- 債権者に直接返済している方
- 弁済代行を利用してる方
それぞれのやり方を解説します。
債権者に直接返済している場合
債権者に「今月は○○万円多く振り込みます」「残りの残債を一括で支払います」と伝えるだけです。特に任意整理で利息カットしている場合は返済の早い遅いは関係ないので、多くの場合は繰り上げ返済に応じてくれます。
弁済代行を利用している場合
そのため弁済代行を利用した場合、任意整理後のやり取りは代理人のみとなります。
ということは繰り上げ返済をする場合には、債権者ではなく代理人に申し出ることになるのでその違いを覚えておきましょう。
任意整理で繰り上げ返済する際の注意点
任意整理で繰り上げ返済をする際の注意点は下記の通りです。
- 無理をしない
- ブラックリスト期間は完済後5~10年固定
- 繰り上げ返済を一部の債権者だけに集中させない
無理をしない
繰り上げ返済がメリットが多いですが、だからといって家計を圧迫させてまで行うことではありません。
任意整理は繰り上げ返済するメリット以上に滞納した場合のデメリットの方が大きいので、まずは“確実に”かつ“計画通りに”返済を続けていきましょう。
ブラックリスト期間は完済後5~10年固定
勘違いしやすい部分ですが、繰り上げ返済で早めに完済したからとブラックリスト期間が短縮されることはありません。
例)3年の返済計画を繰り上げ返済で1年で完済した場合、
①通常通り3年で完済・・・ブラックリスト期間は8~13年
②繰り上げ返済で1年で完済・・・ブラックリスト期間は6~11年
→早めに完済しても5~10年残ることには変わらない
今後の借り入れやローンについて明確な目標があるなら別ですが、まずは計画通りに完済を目指すことが重要です。
繰り上げ返済を一部の債権者だけに集中させない
一部の債権者だけ繰り上げ返済して完済することを「偏頗弁済(へんぱべんさい)」と言いますが、万一自己破産に移行してしまった場合大変な思いをすることになりますので、
繰り上げ返済は、
- 自己破産することなく確実に返済できる自信がある
- 各債権者に平等に繰り上げ返済できるだけの蓄えがある
上記に当てはまる場合のみ行うことをオススメします。
まとめ|任意整理で計画的な返済を
任意整理費用を繰り上げ返済できるのかについて解説しました。
まとめますと、
- 任意整理は繰り上げ返済可能
- 一括返済と一部繰り上げ返済がある
- 少しでも早くブラックリストから復帰したい方にオススメ
- 繰り上げ返済は各債権者に平等に行うこと
繰り上げ返済できれば後々楽になることは確実ですが、無理に繰り上げ返済をして家計を圧迫しては本末転倒ですので、まずは計画的な返済を心がけましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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